背景
Story
先ず、私が生まれたのは大分県の南の端に位置する宇目町と言うところです。私の父は教員として宇目の学校に勤務しておりましたが、私が生まれる頃には先祖代々生産してきた椎茸生産をするため宇目町の堂間(どうま)という人里離れた場所に住んでいました。
更には、宮崎県の西郷村に行き其処でも年間10,000kg以上の椎茸とお茶を生産しておりました。私も幼い頃より椎茸を天日に干す作業や当時のじむろに入って作業する父や母の様子を見ながら育ってきました。
しかしながら、多くの子供たちがそうであるように椎茸独特のニオイと味はあまり好きでは無かった事は記憶に有ります。ただ、乾燥の仕上がった香ばしい香りは上品なお香のようでした。
昭和46年
その後、縁有って別府に住み着き現在の地で1966年(昭和41年)大分県内の生産者の方々より椎茸をお預かりして入札販売するやまよし椎茸市場を(父が)起こしました。
私は昭和52年に家業に帰り、以来、毎日のように大分各地の生産者を回って椎茸を集めております。今から数年前の事です。大分県武蔵町の三浦さんとお付き合いが出来その時「うちん椎茸は香りもいいし食べてん本当にうめーえんで」と大変な自信で言うので、その椎茸を食べて感動しました。
思えば其れは幼い頃に食べた良しも悪しもその懐かしい味でした。(忘れてはいたけれど、ほんの15年ほど前には まだ、回転室が有る農家も有りあの香り豊かな椎茸有りました。)又、彼は当時の明治製菓の908菌(現在は森産業)の美味しさに惚れ込みズーッと908号菌を駒うちしてきたのでした。
ただ、幾ら書いても美味しさは解りません。是非お買い求め下さい。弊社の商品としては他より若干値段が高くなっておりますが間違いなく其の価値はあります。
椎茸が育つのに最も適している環境を
大分県は山が豊かな県で市街地から少し離れればクヌギ林が沢山あります。なによりも気候も椎茸が育つのに最も適していると思われます。これに生産者さんの「こだわり」が加わり美味しい大分産椎茸が出来るのです。
椎茸の原木としてはナラやクヌギがあります。大分で使われているのはその中でもクヌギは一番多いのです。なんと桜でも椎茸の栽培は出来るんです。 この原木の味が椎茸の味と香りになります。
毎年秋11月頃に原木のクヌギを伐採し、 次の年の2~3月頃までに使いやすいサイズへと丸太を切り出します。 これを玉切りといいます。この玉切りした丸太に椎茸の菌を植菌します。丸太に小さい穴を開けて菌を根付かせた駒を打ち込む事から駒打ちと呼ばれます。
現在、日本の椎茸種菌は多くの種類がそれぞれ番号等で登録されており、生用種菌と乾燥用種菌に分かれています。乾燥用の中に春出用、春秋用、秋春用、秋用があります。本来の乾しいたけらしい味と香りはこの中でも春出用の種駒が優れているようです。一口に椎茸と言っても全く別物なのです。
現在では殆どが乾燥機を使用して乾燥されています。天気の良い日に採取した物は直ぐに乾燥機に入れず3~4時間位は天日に干してから、仕上げを乾燥機で行うこともあります。
椎茸の味と言われると種菌にもよりますが最後まで天日で干し上げた物は美味しいといわれます。実際の最初から最後まで天日干し椎茸は非常に少ないと言えます。乾燥方法もその昔は地面を掘って作った地室を使っての乾燥でした。そして15年ほど前までは7~8割方を乾燥機で行い仕上げに回転室を使う方法もよく見かけました。現在大分で作られる乾燥椎茸用は成長段階から一切農薬の使用が行われておりません。安心が大分の干し椎茸の誇りと成っていくでしょう。
やまよしの人気食材
Popular Ingredients